Mediterranea Inferno

幼なじみ3人の中に潜む悪魔を探検する夏の逃避行。彼らの秘密、恐怖、執着を解き明かし、絆を取り戻し、自分自身を再発見する手助けをしよう。『ミルキーウェイ・プリンス〜ヴァンパイア・スター〜』のクリエイターが贈る、よく熟れた、そして不穏なビジュアルノベル。
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プレイ時間 95時間
おすすめ
日本語訳追加アップデートは年内(12月)予定
『Milky Way Prince-The Vampire Star』に続いて、本作『Mediterranea Inferno(メディテラネア・インフェルノ)』の公式翻訳をしている者です。
以下、本作の内容について(ネタバレなし)
『Milky Way Prince-The Vampire Star-』(以下、MWP)の作者ロレンツォ・レダエリの最新作。MWPで「サシ」の強烈な恋愛を描ききって、次作はどんなものになるのだろう? と期待と不安でいっぱいだったのだが、今作ではコロナ・パンデミック後のイタリアを舞台に、クィアな3人の主人公たちが自らのルーツやアイデンティティを探るシネマティック・ミステリーとなっている。「旅行(travel/trip)」がテーマのひとつであり、行く先々でサイケデリックなパーティーが行われたり、開放的なビーチを探索したり、ノワール・ミステリー調になったりと飽きさせない(ただし、全体のムードは一貫している)。
前作MWPと比べると、登場人物・ストーリーはずっとスケールアップし、絵やUIもグレードアップしており(とくにビジュアルのセンスと色使いが素晴らしい)、作者の手によるジャンルレスなBGMもいっそう「劇伴」が意識され、総合的に「MWPよりも格段に洗練された、スリリングで美しいビジュアルノベル」というのが個人的な印象(翻訳者の立場からベタ褒めするのも気が引けるので、なるべく客観的に「抑えて」書いているつもりです)。分岐・選択肢は前作よりかなり増えており、周回プレイ前提。
本作のストーリーにキャッチコピーをつけるなら、「クィアな3人、パンデミック後の青春逃避行」だろうか。海外ポップカルチャーに目がない日本人として本作を見た時、コロナ・パンデミックに対するイタリアの状況や価値観の変節、SNSの興隆、クィア・カルチャーの現在、美しくも退廃的に描かれたイタリア田舎町の風景など、とても興味深い。
少し触れば、本作独自の世界はきっと伝わることと思う。メディテラネア・インフェルノの世界にぜひ足を踏み入れて頂けると、ファン・訳者冥利に尽きます。
2023/9/1642人が参考になった
プレイ時間 3時間
おすすめ
熟れた幻想を食しなさい、終わりゆく夏を永遠とするために
ヴィジュアルノベル形式で豊饒に描かれる、現代イタリア享楽の暗い休日
1周で2時間、トゥルーエンディングまで3~4時間程度。エンディング分岐はおそらく3種類以上(未見)
コロナ禍が開け、かつてパーティーで主役だった若者「サン・ガイズ」が久しぶりに再会する。ファッション界で名声を築いた祖父を持つクラウディオ、ファッションインフルエンサーかつモデルのミダ、誰からも愛されるセクシーなアンドレアの3人は、イタリアの郊外でバカンスを過ごすためクラウディオの祖父の別荘へと赴く。それはあまりにもゴージャスで危険な幻想と悪夢への逃避行のはじまりだった...
なんかすごいビジュアルノベルでした。登場人物みんなセレブでセクシーでゲイセクシャルで危険で魅力的で若さを持て余して、理不尽な社会や周囲へのいら立ちを隠さない。ビジュアル方面もずっと刺激的で目を離せない絵がばんばん出てくるし、唐突にはさまる緊張感の高い選択肢・多彩で意表をつく演出も気を逸らせない。
かなり特徴的なノベルゲームだった前作Milky Way Princeと比べても、世界観や描きたいものがぐっと広がるとともに、よりいっそう贅沢で洗練され緊張感の高い作品として仕上げられている。個人的で閉塞的な恋愛物語だった前作とはまた方向性がだいぶ異なるが、この作品特有の豊饒なビジュアルノベル体験ができるはず。
ラブムー氏による日本語ローカライズも良好で、複雑なキャラクターや独特の世界観の魅力を十分味わうことができるだろう。
個人的に、イタリアという国やSNSなどが浸透した現代社会背景を下敷きに、若者が上の世代や過去の栄光や他者に対して持つ愛憎が濃厚に書き込まれてることが面白かったです。あとマダマかわいい。
(エンディングについて)
各キャラクターのミラージュを食した数が合計4個以上・未満でエンディングが分岐する。そのキャラクターにとってグッド・バッドどちらのエンディングでも非常に力の入ったとんでもない展開が見られてすごい。どちらも見ることで、より各キャラクターのパーソナリティを知り、この不穏な物語の背景を知ることができるだろう。
トゥルーエンディングも味わいあるのでぜひ。
(トゥルーエンディングの行き方)
各ミラージュの中で回収できるカード(サンティーニ)を8枚集め、エンディング後に「時のミラージュ」を食べることで、トゥルーエンディングに到達できる。
カードは全部で13枚あり、ミラージュ内で探索や該当品を購入する選択肢を選べば入手可能。
1周目では到達することは困難だが、2~3周目でいろいろなミラージュを見るようにすれば集めることは簡単。
一度トゥルーエンドを見れば、カットシーンは「F」ボタンで5倍速になるのでエンディング回収勢も安心です。
セクシャルな表現が多用され、各種の暴力表現があり、光の明滅が強い演出があるので苦手な方はご注意を。
ゴージャスでセクシャルでクィアな若者の物語が気になる人も、変わったビジュアルノベルやってみたいなという人も、非常に刺激的な体験ができておすすめです!
2023/12/2318人が参考になった
プレイ時間 6時間
おすすめ
システム:基本的には選択式ノベルゲームと言えるもの。TRUEエンドまでやるなら3周くらいはする必要があるのだけれども、この周回は1周目が終わると同時にあんまり負担感は感じなくなるようになっていると思う。少なくとも個人的にはずっとそこは楽しんでやれた。
グラフィック:基本的にはイラストがベースなのだけれども、グラフィックと3Dも活用されている。とにかくスタイリッシュに画面を構成していて、それが「ゲーム体験」としてプレイヤーを作品世界に没入させるものとなっている。この辺りのセンスが個人的にはかなり好みだった。日本の作品で何となく例として挙げるものがあるとしたら、アニメ『輪るピングドラム』の雰囲気が近しいかもしれない。作者の前作の『ミルキーウェイ・プリンス』よりもさらにこちらの意識を侵食してくる感じになっていた。
あらすじ:イタリアはミラノで、人気のある三人組として持てはやされていた若者たちがいた。彼らは『太陽の子供たち』と呼ばれ、輝きの中で存在していた。だが、コロナのパンデミックがこの彼らにも2年間の間断を平等に与えることとなる。25歳。四半世紀の危機へとそのまま雪崩れ込むことになってしまった、「若さ」の盛りにただただ焦燥をも覚える歳になった彼らは、南イタリアの避暑地で三日間だけの夏のバカンスを共に過ごすことにする。だが、2年ぶりに再会した彼らはただぎくしゃくとしたものを互いに感じながら、自らの中にある鬱屈として出口のない悩みと向き合うことからどうしても逃げられないのだった。現実から逃避するためのバカンス。折しも時は8月15日のFerragostoという休息日でもある。現実から逸脱し、逃避しようと、救いの出口を見出そうと、ここで彼らは足掻こうとする。聖母マリアに縋るように──。彼らの現実はどうなるのか。
+++
感想:『ミルキーウェイ・プリンス』は既に前にプレイしていた。あの作品もだいぶ要所要所で距離を詰めては心に矢を刺してきたのだけれども、とはいえ、結構、プレイヤーと作品の間に距離感は保ったまま楽しめるものでもあったのと、こちらは何となく作品解説やサンプルの雰囲気からパリパリしてそうな感じがしたのでめちゃくちゃ油断していたのだけれども、どっこいもどっこい、徹頭徹尾こっちをもゼロ距離マシンガンで穴だらけにしてくる超絶ヘビーな作品でした。大変好みです。ありがとうございます。こちらは作品とプレイヤーの距離をほぼゼロまで詰めてくるところがあります。容赦がない。よほど何も考えていないか、よほど幸福かとかではない限り、ほとんどの人の心にがっつり鋭い爪でひっかき傷を作っていく作品なのではないかと思います。
三人それぞれのEDとTRUEエンド、ミラージュを一切接種しないと見られるENDの全てのENDをプレイしてこの作品世界が語るものが一つのものとして完成するようになっている構成の巧みさもすごく好き。
イタリアという地が現在持っている呪いとも言える膠着状態、個人の中にある他人との埋められない距離感への焦り、各々が抱えている命題の呪縛化、現代社会が持つ病、繋がりたいのに繋がれない、繋がりたくないのに繋がりたい、「若さ」という曖昧且つ確実なものの果てに近付いて見える絶望感。本作はいわゆるLGBTQ要素も強く織り込まれていてここも外せない要素を構成してもいるのだけれども、だからといってその「ちっちゃなゲイコミュニティー(※作中で彼らがそう揶揄される場面がある)」に収まりきるはずもないもの(そして言ってしまえばそういうものに収まるしかないもの)を本作ではどうしようもなくあぶり出していた。主人公たちと一緒にこちらもずっと地獄を歩かされる。そしてその地獄はTRUEエンドまでやろうとも分かりやすい解放へと逃がさせてくれることもないし、そうなるはずもない。いっそ閉じてしまうか、現実を生き延びていってしまうか。大抵の場合、そうするしかないのだ。
彼らは各々に「ミラージュ」という実を通して彼らの願望を夢見ては、自分が抱える闇を覗く。「QUESTA È LA VIA DELL'AMORE」と言って誘われるその世界はつまるところ彼らの願望を達成するための夢想でありながら、実際には何らの解決手段を示唆さえしてくれないものである。だから自分を適度に気持ち良くさせてくれるかもしれないものでしかない。というか、大抵の場合はバッドトリップでしかない。ミラージュの幻想のクライマックスは自慰の暗喩で表現されているように、そういうものなのだ。彼らはそんな実を自分たちの中で奪い合うように誘われる。幸せになりたいなら、現実の鬱屈から逃れたいならと。つまりはその闘争をするなら、彼らはどうしたってエゴイズムを発揮するしかなくなってしまうということでもあって、その結果、勝者がどうなるかなんていうのは、作中でもそう表現されるように、自分の夢想に妥協せず、妥協してこの世界に生き延びることを選ばなかった「殉教者」になるしかないのである。この世界は誰かが死ぬことで変わるものがあるはずだからという勝手を押し付けられる形で。
TRUEエンドだと、マダマさんが特別な実を食べるということになるのもすごく面白かった。この自慰的行動を彼は他人の犠牲の上に得るし、何となく話をまとめて(でも、彼の言い分もそこまでズレていたわけでもないと思うところがまた救いがない)自慰的に自分がかつてはできなかった犠牲者になろうとするし、しかもそれを「キャンセル」されるのだもの。この身勝手さの窮まりとそれをポイっと捨てるところが、作品を通して見てきた主人公たちの鬱屈に或る種の穴を空けてもくれているのだけれど、決してだからといってハッピーエンドというわけでもなく、どうしようもない現実は続いていく感じがまた余韻として素晴らしかった。
三人が特別何かこう悪かったからこうなったんだということもなく(※人殺しを肯定しているのではない)、彼らはあくまで自分を取り巻く社会に巻きこまれて地獄に落ちたまま延々とそこに居続けるしかなくなっているというのがまずもって救いがなく。
その地獄から何度でも這い上がり続ける祖先というものが配置されているのも作品の妙だなあと思う。それが井戸の底に突き落とされているのも皮肉というか、やはり地獄というか。
2025/3/104人が参考になった
プレイ時間 5時間
おすすめ
こちら、地獄への小路になります。
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幾原邦彦ライクな映像に惹かれて購入。
lovemoooooooさんの日本語訳が素晴らしいです。
軽いホラー、サイケ、ドラッグ要素、性的描写ありで、説教じみた言い回しはなし。
個人的には、アンドレアが一番人間味のある性格で共感できた。
アイデンティティの確立とか承認欲求は、年取ったら薄れてきたよ・・・
2024/3/104人が参考になった
実況・プレイ動画(YouTube)
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