彼は私の中の少女を犯し尽くした - HFTGOOM

『彼は私の中の少女を犯し尽くした He Fucked The Girl Out of Me』は、ゲームボーイ用に制作された、セックスワークとトラウマについての半自伝的な作品です。セックスワークが制作者自身の人生にどのような影響を及ぼし、世界の認識のしかたをどう変えたかが語られます。プレイ時間はおよそ40分です。
Taylor McCue · 2023年7月23日
Steamレビュー
93%
非常に好評 · 494件
Metacritic
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プレイ時間
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Steamレビュー
全期間
93%
非常に好評
494件
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プレイ時間 1時間
おすすめ
これは絶対に目を背けてはいけない性被害者の現実であり、トランスジェンダーが受けている差別の実態だ。
今回のレビューではセックスワークの是非については作者が作中で語っている通り、かかわりのない自分が安易に語れることではないので省く。
この物語で語られているのは、合意のない性行為で受けるダメージは途方もないと言う事だ。それこそ一生分の傷を負うくらいに。
自分は過去に「早く結婚した方がいいだろ、男なんだから」と言うド直球のハラスメントを受けたことがある。それですら今でも引きずっているのだから、無理やり体を壊された人の痛みは計り知れないだろう。
安易にレイプを物語の題材として使う人も消費する人も、その旨は頭に入れておいた方がいいのではないだろうか?
そして目を覆うようなトランスフォビアの数々もまた問題だ。
旧Twitterを見てみるといい。そこに書かれているのは余りにも良識が欠如した言葉の数々だ。
何ならフェミニストの面を被ったセクシストが彼ら彼女らの心を平気で蹂躙している。恐らくそいつらはこのゲームを触れようとも思わないのだろうが、作中にある目を覆いたくなるような汚言を見てまだそのような事が言えるのだろうか。
(念のために言っておくが、自分もフェミニズムを学んでいる身であり、トランスジェンダーの差別に反対しているフェミニストの事は尊敬しています)
作者さんがこの経験をこうして表に出すには大きな勇気が必要だったに違いない。
けれど自分は勇気を出して作品として発表した作者さんを心から称えたい。
どうか、作者さんの未来が幸せでありますようにと願い、このゲームにサムズアップを捧げたいと思う。
2023/8/2841人が参考になった
プレイ時間 1時間
おすすめ
トランス女性である作者がセックスワーカーとして働いていたころの経験をフィクションとして再構成した作品。GB STUDIO というゲームボーイ向けの制作ソフトで作られており、カードリッジなどに移植すればゲームボーイ(とその互換機)でも動くらしい。無料。なんとしてでも課金したければ、DLCという形で投げ銭ができる。
ゲームに引き寄せて分類するならば、ドット絵のキャラを動かしつつ、ボックスに表示されるモノローグや会話を読んでいくADV形式。選択肢はあるが特に分岐などはない。なぜならすでに経験された人生の物語であるからだ。
特異なのは主人公の語りがあくまで「アン自身の語り」として現れ、プレイヤーはあくまでその語りを聞く存在として扱われること。要するに、ゲームの特性であるプレイヤーキャラへ没入することによる感情移入を拒絶しているのだ。ゲーム中でもあくまで「この経験とトラウマは自分だけのもの」であることが繰り返し断言される。
しかし、おそるべきことに、インタラクティブ・フィクションとしてのゲームに具えられた没入性は作者の願いよりも強い。
望む望まないにかかわらず、プレイヤーはたしかに彼女の経験の一部を「自分のもの」として体験してしまう。おぞましく、切実で、混乱した感情のかけらを彼女からかすめとってしまう。
だからこそ、本作は体験として強烈だ。
私たちはトランスジェンダーに該当する人間がだいたい人口の0.5%前後であることを知っている。アメリカではトランスジェンダーのひとびとがそうでないひとに比べて三倍の貧困率を記録していることも調べればわかる。職業選択の幅が狭められることによって、セックスワークに向かわざるを得ない状況が存在するのも聞いたおぼえがある。
だが、それらは文字や映像の上での情報だ。どこまでいっても他者とは感情的につながれないし、つながりようがない。
キーボードをポチポチ押してキャラを動かし、選択肢を選ぶ。たったそれだけの能動性が、粗いドット絵で音楽も流れない本作の切迫した叫びをリアルな声として響かせる。
たとえば、本作中ではある出会い系サイトで作者に送られてきたクズメッセージの山を読まされるくだりがある(読みたくないなら一切読まずに先に進めもする)。プレイとしては、かなりつらい体験だ。これでもゲームプレイ用に省かれ洗練された形だというのだから、現実になにがあったかなんて想像すらできない。
人生と感情の物語であるはずにもかかわらず、数十分のプレイを終えたあとも、作者の人生や感情をほんとうに理解することは不可能だ。プレイ中にかすかに感じたはずのある種のつながりも、おそらくは錯覚だ。
だが、すくなくとも、彼女という人間が存在しているのだという感覚を得ることはできる。いや、「できる」というのは生ぬるい。得て「しまう」。たとえ幻想であろうとも、私たちのなかに植え付けられてしまったそれは、今後ずっとついてまわるだろう。
良いフィクションというのは、そうした呪いを与えてくれる作品だ。
2023/8/2834人が参考になった
プレイ時間 1時間
おすすめ
衝撃的な自伝的作品
日本語対応、無料プレイ
「性」に関する問題を開発者自身の「自伝」として
昇華した作品
そこに「良い」も「悪い」もない
その人が感じた何かを受け取れればそれでよいと私は思う
これは性別に関しての自伝だが、普通の人にも刺さる内容である
※ゲーム内にどのような表現があるかの警告あり
メンタルが弱っている人などはプレイを控えた方がいいかもしれない
Steamキュレーターで紹介しました
「3D酔いでもゲームがしたい」 Twitter
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2023/8/2822人が参考になった
プレイ時間 2時間
おすすめ
2023/8/28追記
Steam版日本語対応に伴い、内容を調整
『He ♥♥♥♥♥♥ The Girl Out of Me』は、「ゲームによる自伝」を鮮烈に具現化した作品だ。
本作でプレイヤーは、主人公(であり開発者)のAnn/Taylorとして、ロールプレイを繰り返しそのトラウマを追体験することになる。
語られる内容は、トランスジェンダーが直面する経済的・社会的困難がどのような“苦しみ”を人生にもたらしうるかという内容だ。
その一連の構成は、あらゆる人々の立場を考慮するよう丁寧に練り込まれており、開発者はあくまでも自分の主観を伝えるものだと念入りに強調する。その中で語られる主観的体験は強烈だ。
筆者は、MtFトランスジェンダーである。そして、かつてセックスワーカーでもあった。
極めて本作の設定について感情移入しやすい背景をもつため、本レビューが多大な主観的評価に影響されている可能性は否めない。
しかし、それを加味したとしても、本作のように主体性をもってトラウマを語るゲーム作品が、極めて稀なのは間違いないと考える。
それゆえに、トラウマをフラッシュバックさせる(Triggering)な内容でもあるので、心当たりのある方は留意してほしい。そういったコンテンツの直前に警告してくれる機能も盛り込まれているので、そちらを利用しつつプレイするとよいだろう。
いささか取り留めないレビュー文となってしまったものの、是非多くの人に触れてほしい作品だと思っている。
なお本作の日本語訳は、fuglekongerige氏による。
2023/7/2621人が参考になった
実況・プレイ動画(YouTube)
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