
Z.A.T.O. // I Love the World and Everything In It
Ferry // Nopanamaman · 2025年11月10日
アドベンチャーインディー無料プレイシングルプレイヤー
Steamレビュー
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圧倒的に好評 · 8k件
Metacritic
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Steamレビュー
全期間
98%
圧倒的に好評
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プレイ時間 15時間
おすすめ
良質な日本語訳が出たので、これから日本語訳で遊ぶ方はこちらの翻訳でのプレイをおすすめしたい。
https://steamcommunity.com/sharedfiles/filedetails/?id=3644508632
主人公ASYAの内面の描写の質がとても高く、ひねくれた思考の流れを読んでいるだけで面白い。そのおかげで日常的なシーンでもずっと楽しんで読めた。本作のテーマは主人公の内面そのものについての話なので、ここをちゃんとやってくれたおかげでテーマに心から共感することが出来た。
終わり方がとても好きで、文章も演出も素晴らしい。ノベルゲームの良いところがちゃんと出ている。
不満点としては、物語の根幹にかかわる要素が出てくるのが急で突飛に感じられたことが挙げられる。ただ、キャラクターの心理描写に違和感は全くないためあまり問題ではないと感じたし、テーマの伝達を阻害するようなものではない。ストアのタグに”ミステリー”が入っているが、そういうものを期待して遊ぶと肩透かしを食らうと思う。あくまでもASYAの内面・哲学に関する話だと思って読む方が良い。
2026/1/2526人が参考になった
プレイ時間 9時間
おすすめ
26/01/22 現在、日本語化MODは2つ有るようです。
- https://www.nexusmods.com/zato/mods/1
- https://steamcommunity.com/sharedfiles/filedetails/?id=3644508632
2026/1/2210人が参考になった
プレイ時間 14時間
おすすめ
とても素晴らしい作品でした。アーシャの宇宙を一緒に覗くことが出来て本当にうれしかったです。また、有志の方も本当にありがとうございました。この作品に出会えたことを幸運に思います。私が考えた考察です。↓↓↓
アーシャは幼い頃から、宇宙を愛すために、宇宙にとって不要とされる「本当の感情」を封じ込めて生きてきた。彼女は、感情とは宇宙にとって価値のないものであり、秩序を乱すものだと刷り込まれてきていた(車の修理工場でのトラウマ)。世界は直線的に続き、やがて円環となって完全な調和へ至る——それが正しい宇宙の姿だと信じられていたからだ。そこから逸脱する曲線は、永遠を壊すものとして排除されるべきものとされていた。だからこそ、彼女は、自身が虐められ続ける世界線を受容し、虐められる立場に固執することで、社会が望む直線を自ら引き受けていたのだ。その現状維持を壊したのがイラだった。
イラは、「曲線」を体現する少女だった。全ての情報がコードとして見える真実の目を持ち、世界の構造を直視してしまう存在だった。しかし彼女は宇宙に迎合せず、自身の感情に正直であり続けたが、その在り方ゆえに宇宙から居場所を与えられず、最終的に消されてしまう。イラは曲線を愛し、宇宙に逆らっているように見えたが、実際にはただ真実を見ていただけだった。だからこそ、アーシャが隠していた「本当の感情を持つアーシャ」にも気づいていたのである。そして作中では、本当のアーシャを気遣う彼女の姿も描かれている。しかし、直線に従う宇宙にとって、世界を曲線に導く彼女の存在は排除対象でしかなかった。
同じく真実の目を持つマリナは、過去の壮絶な体験(おそらく、自身の感情を否定された体験)から、生きるために本当の感情を薬で抑制する道を選んだ。人間は社会なしで生きていけない生き物だからだ。研究所が作ったその薬は、宇宙に迎合できない感情を抑え、人を直線に沿った存在へと矯正するものだった。マリナは宇宙に適応することで生き延びようとし、イラを社会で生きる「人間」に変えようとする。しかし彼女は、「今を生きるイラ」を見ることができなかった。マリナが愛していたのは確かにイラではあったが、彼女が目指していたのは、宇宙に適応できるイラだったのである。そこを目指すことでしか、彼女は救われないと自身の身を持って知っていたからだ。
物語の転換点は、アーシャがイラに送った告白の場面にある。すなわち、アーシャがイラを正面から見つめた瞬間である。
彼女が送った言葉は、次の詩である。
「黒い一日が
寄木の床に、タイルの上に、飛び散っている。
呼び起こされた群衆は
闇に手を突っ込み、汚していく。
マッチがリンに擦られ、
煙が掌の上に横たわる。
ガスの匂いが焼け落ち、
火のはぜる音が耳の奥で鳴る。
ひどく温かく、明るく、甘い。
それでも背筋には寒気が走る。
これは健全な一枚の絵だ。
たとえ、少し斜めに掛かっていたとしても。」
この告白は、アーシャが本当の自分を認め始めたことと同義であった。アーシャがイラを見つめ、宇宙に存在を残そうと必死だったイラもまた、その瞬間だけはアーシャを見つめ返す。宇宙はイラを消そうとし、イラは宇宙から消されないように、必死にしがみついていたのだが、アーシャの告白によって、イラはほんの一瞬、本来の自分を取り戻すことができたのだ。アーシャにとってみれば、アーシャ自身の想いが電波となり、宇宙へ届いたと確信できた瞬間だった。しかし、それでもまだ足りなかった。イラへの告白だけでは、宇宙の最奥には届かなかったのである。しかし寛大なる宇宙は慈悲を示し、イラが救われる瞬間を作ってくれたのだ。
そこで明らかになるのは、宇宙は意志を持った社会ではなかったという事実だ。直線を求め、曲線を嫌っていたのは宇宙ではなく、社会であり、世界であり、腐敗した研究所だった。宇宙は秩序を強制する存在ではなく、ただ全てを内包し、見守る存在に過ぎなかった。
社会は曲線を恐れ、感情を抑圧し、現状維持に適応する人間を量産してきた。感情のままに生きてきたアーシャやイラ、マリナを断罪し、矯正を計ってきた。その中でもイラは最後まで反発した存在であり、彼女の「破壊」は正義でも救済でもない。それは、すでに汚れていた世界を引き受けた結果であり、ありのままの自分を認めてほしいという切実な抵抗だった。
詩に描かれる火と温もりは、イラの行動によって、アーシャが感じてしまった「本当の感情を持つ自分」への救済の感覚と、それを肯定してしまう自分への失望を象徴している。温かさと寒気が同時に存在するのは、イラの行為が社会的に歪んでいると理解しながらも、確かに自分を解放したという事実を否定できないからである。
だからこそ、アーシャの告白は、イラを正当化する言葉でも、社会に引き止めるための愛でもない。「これは健全な一枚の絵だ。たとえ、少し斜めに掛かっていたとしても。」という言葉は、歪みを矯正せず、存在そのまま認めるという最後の承認である。かつてイラが、隠していた本当のアーシャを認めていたように。その承認によって、イラは世界への執着から解き放たれ、社会ではなく、母なる宇宙の一部として還っていく。社会に居場所を求める必要が無くなり、世界にしがみつく必要を失ったのだ。そしてアーシャの告白は遠回しに救われた本当の自分への承認でもあったのだ。遠回しだったからこそ、中途半端な電波だったとも考えられるだろう。
この出来事を通してアーシャは、直線を望むのは社会であって宇宙ではないこと、宇宙は価値を選別しないことに気づく。腐っていたのは宇宙ではなく、社会だったのだ。宇宙に自分の愛が届くように、もっと愛さなくてはならないと感じ始め、初めて自分が押し込めてきた「本当の自分」の意味を理解し始める。
アーシャはイラが消えたその日から、自分と向き合い続ける。
腐った社会によって形成された自分の視点から、同じ社会によって抑圧されてきた本当の自分と向き合い続ける。社会にある万物を愛してきた彼女は、自分こそが宇宙に最も誠実であると信じていた。しかし社会は腐っていた。社会が愛していたのは曲線以外の者であり、その曲線こそが感情だったのである。
宇宙は万物を包括する存在だ。腐った社会を憎むこともない。社会もまた、恐怖から生まれ、生存のために歪み、無数の人間の弱さから形成された世界であり、宇宙に見守られる存在だ。そしてその社会の中で生まれた自分もまた自分であり、本当の感情に素直な自分もまた自分なのだ。そしてノイズの無い愛は自身の中で強い電波となってダイレクトに宇宙に届く。最期まで見届けてくれた自分に、否定も断罪もしない、ありのままを許してくれる私に、社会に従うだけの私をも愛してくれたアーシャに。
すなわち、宇宙を愛すことは、自分を愛することだった。
2026/1/287人が参考になった
プレイ時間 9時間
おすすめ
本当にこれが無料でいいのかという破格の出来映えでした。
上質な日本語訳MODを作ってくださった有志の方にも感謝です。
結構ずっしりした読み応えのあるSFだったので、多少ハードでも良質な物語を読みたいという気概に溢れた方におすすめです。
・よかった点
①考察のしがいがあるストーリー展開と奥深い世界観設定。
②主人公の繊細な内面をきちんと描写していること。
難解なストーリー展開でしたが、その分丁寧な心理描写の積み重ねがあったからこそ、
難解さに邪魔されずにカタルシスのある空気感を楽しめて 「ついていけなかったな」ではなく「いい話だった」という気持ちでエンディングを迎えることができました。
思春期の少年少女の内面という山の天気のような存在をここまで活き活きと描けているのは作者の手腕を感じました。ジュブナイルものとしてもかなり出来がよいです。
③当時のソ連の文化や情景がありありと描かれていて没入感が高い。
当時の向こうの大衆文化や食生活、街並みや自然の厳しさが詳細に描写されており、
ソ連での暮らしぶりというものをありありと味わうことができました。
(結構イメージと異なる部分も多くて新鮮でした)
もちろんその中に息づいたキャラクターたちについても生活感からくる生々しい一面が感じられて愛着が湧く一助になりました。
・気になった点
①作中世界の重要な設定の示唆や開示が(ページ読み飛ばしを疑ったくらいには)唐突で面食らうことが多かった。
②ゲーム起動直後でないとオープニングムービーが見れないこと(いい出来なのでシンプルにもったいない)。
2026/2/144人が参考になった
実況・プレイ動画(YouTube)
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