Old World オールド・ワールド

『Old World』は敵対する指導者たちを相手に、何世代にもわたって王朝を統治していく革新的な歴史ストラテジーゲーム。大規模な戦いを繰り広げ、臣下を管理し、王朝を築きあげよ。瓦解する帝国を見届けるのも、後世に遺産を残すのも、全てはあなた次第だ。
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公式サイトRPGシミュレーションストラテジーシングルプレイヤーマルチプレイヤー
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このゲームのリードデザイナーがCivilization4の時マニュアルに書いたデザイナーズノートが名文で、それを読んで自分は世の中に「ゲームを分析的に作る」開発手法が存在することに気づいた記憶があります(余談)。
で、その頃の才能が翳るどころか、ますます洗練されたものが本作Old World、そんな印象です。
「あくまでゲームとして面白く遊びやすいシステム」と「実際の歴史や社会を作っているような絶妙な感覚」という、4Xの矛盾した魅力の実現においてOWは超傑作だと思うのですが、ちょっと伝わりづらかったり、大きく好みで分かれそうな部分もあります。熱心なファンもいるわりに、いまいち定番タイトル級になりきれないのもそこが一因なのかもしれません。
Civを主軸に人材システムや隣接ボーナス系の街づくりを備えた全体像にはさほど斬新さがなく、テーマとする期間も古代のみと、ありきたりや地味と受け取られても仕方ないところはあります。ですが、命令ポイントやランダムイベントで支えられた具体的ゲームデザインと細部が極めて優れていて、そこにこそ自分はOWのユニーク性を感じます。
そんな細部を挙げていくとマニュアル書き写すのと変わらなくなるため、いくつかピックアップすると:
・命令のポイント制(1ターンにとれるアクション数に上限がある)は何をするか取捨選択する戦略的な側面も当然ありますが、副産物としてマイクロマネジメント低減に大きく貢献してます。
要はポイントが尽きたら何もできないというのは、何もしなくてもいいのと同義なんですよね。顕著なのが、どんな大軍隊を作ろうと動かせるのは命令ポイントの範囲内なので、おのずと軍と戦争が妥当なサイズに収まる点。
また4Xプレイヤーにとって厄介な戦争中の内政にしても、そもそもできないんだから仕方ない、という割り切りが成立します。前線が1タイルの差で生きるか死ぬかしてるのに労働者や宮廷に回す命令ポイントなんかねえ!というわけです。逆に国内を整えたければ戦争をやめるべきで、そこに戦争と外交のメリハリが生じます。
第2の副産物として、窮屈なパラメータやペナルティをそぎ落とせています。上記の例で言うと軍サイズに対する累進コストや厭戦ペナルティがOWでは不要です。それでいて兵站や行政能力といった現実らしさも再現できている。
3つめに小さめのメリットを挙げると、命令というリソースで縛れてるため全体的にユニットの移動力が高く、ユニット配備に関するフラストレーションもだいぶ抑えられています。なんなら命令を大量消費して1つのユニットをとんでもない所まで動かすことも可能。さすがに通常を超えた移動はコストが倍増し、乱用は推奨されない作りですが。
・ランダムイベントはなかなか強烈で、Paradox作品比較だと体感2倍は影響が大きく、頻度も2倍ほど発生します(設定で頻度を下げたりオフにはできる)。私も初見はドン引きしましたが、遊んでみるとこれがしっかり役割を持っているんですよね。
たとえば「他家から身内を大臣に据えろと圧力をかけられる」イベントが発生し、現職大臣はかなり有能、しかし当の氏族は軍の主流派閥、みたいな状況だとします。氏族を満足させて戦争で頑張ってもらうのもいいですが、切った大臣が恨みで何かしでかすリスクが残ります。そもそも優秀な役職の出力するパラメータ上の恩恵は馬鹿になりません。
巧みに相互作用するシステム上で、この極端なイベントがある種のリソース配置を生成していると言えばよいでしょうか。別の表現をするなら「引いた初期立地にどういう都市を作ろうかワクワクする」4X序盤のあの感じを、ゲーム全体に拡大したらどうなる?という試みかもしれません。
ここらはロールプレイ的意味合いの大きいParadox作品のイベントとは方向が異なりますね。もちろんどちらが優れているという話ではなく。
なにより史実や当時の習俗を絡めたイベントはシンプルに面白く、単純なトレードオフばかりにならないよう工夫されてます。プレイヤー指導者の属性もかなり影響し、こういう作品には珍しくポジティブな性格に大きなリワードがあります。たとえば「温厚」だと問題に対して丸く収める選択肢が取れるといった。4Xでは邪知暴虐であるほど有利になりがちなのは、少し変だと思うんですよね。
とはいえ前述のたとえで言うと、初期立地は安定して優秀であって欲しい、悪ければリセットも辞さない派の4Xプレイヤーにはやはり好みを外れるゲーム性かもしれません。
・入植候補地が決まっている(数タイル分の範囲はある)のもCiv系4Xでは思いきった仕様ですが、想像以上によく機能してます。なにしろ都市スパム問題と、息苦しくなりがちな拡張ペナルティを両方消せてます。そもそもCiv4に強い拡張ペナルティを導入したのが本作開発者なので、これはマッチポンプじゃないのかという気もしますが。
固定とはいえマップ生成に合わせて候補地もランダムなので、単調には全然なっていません。むしろ人間は資源出力を最大化するように置くのでどうしても画一的になりがちですが、OWでは良い塩梅にそれっぽい都市配置になる感じがします。
また都市間を埋める国境線を拡大する手段も複数用意され、自国の領地同士なら最初から融通でき、そのへんの柔軟性は高いですね。
他にも、影響が分かりにくかったり把握が面倒になりがちな氏族、宗教、諜報活動などうまく割り切ってシステム化され、一方でプレイ中にドラマが見えてくる感じというか、ゲームだからと突拍子もない実装方法にはなっていません。
特に氏族(派閥)関係はめちゃくちゃ語りたいですが、レビューが倍の長さになりそうなので自粛。
戦闘は1タイル1軍事ユニットでユニット種別ごとに射程や特殊行動のある、いわゆる1uptのタクティカルコンバット。本作のAIはユニット特性や戦闘ルールをかなり使いこなし、同等国力では負けるリスクも無視できない程度には手強いです。つまり戦争がちゃんと面白い。
一方で戦争自体のシステムは単純で、宣戦を阻むのは停戦直後の5ターン猶予くらい。同盟は特定属性を持つ指導者のみ可能(このあたりも指導者の個性が飾りではなく、ゲームプレイを大幅に変化させてます)なため、連鎖宣戦はかなり起きにくくなっています。多分、古代なんだし気軽に殺り合えってメッセージです。
・現在はUI含めプログラム的な完成度も十分高く、終盤でも大して重くなりませんし、毎ターンオートセーブしているのにターン移行処理も早め。自分はしばらくオートセーブがデフォルトなことに気づきませんでした。
特筆すべき点として、あらゆるアクションをターン開始時まで無制限にアンドゥ・リドゥできます。イベントで重大な選択をしようが、斥候でFog of Warの中を見た後だろうが、戦闘行動だろうがお構いなしです。言うまでもなく非常にチート性の高い仕様ですが、そもそもセーブスカムをすれば同じことは可能だし、それよりプレイヤーの利便性を取ったということでしょう。
実際、命令ポイントやCiv6系の複雑な建設条件の管理は、(特に慣れないうちは)アンドゥなしだとちょっとやってられないところはあります。なおランダム関係はターン毎に確定しているので、乱数引き直しをやる理由はありません。
もう1つゲームプレイ以外で書いておきたいのは曲の良さ。こういう作品のBGMはクラシックやアンビエント系でまとまりがちですが、格好良く耳に残るものが多いですね。
・と、本当は色々な方にお薦めと言いたい作品ですが、それを阻む要素も幾つかあります。
- ゲーム内辞典が微妙です。チュートリアルは充実してますし、データも網羅されているのですが、もう一歩踏み込んだ説明がざっくりすぎたり記述抜けがあったり、全体的に完成度が極まってる中ここだけ謎のWIP感が漂います。
さらに日本語だとシステム用語まわりの翻訳が粗めで初期ハードルを上げてます(まず最初に都市を作る時点で、これは各氏族の私領扱いになるのですが、Manorを邸宅と訳してるので「なんで家建てるんだ…?」と首をひねる羽目に)。イベントや解説文などの長文はほとんどが自然で良い訳だったりするので、一度覚えてしまえば問題はないのですが。
- ゲームのコンセプト上どうしようもない話ですが、プレイ中は息つく暇もないほど面白い一方、終わり方がにょろっとしてるといいますか…Civが古代から現代まで描いているのは飾りではないんだなぁという印象。もちろん都市は立派になり国内は様々な人材で溢れ、OWなりの進歩した感はありますが、とはいえ航空機や核といったパラダイムシフトが起こるわけではないですしね。
1ターン1年設定だと決着ターン数はだいたい100強なので1ゲームも短めですが、これは人によっては長所でしょうか。
・最後に軽くDLCに触れておきます。4Xに欲しい要素は本体で揃っているため、おおむねDLCはその深掘りといった形。たとえば神々の怒りはいわゆる災害DLCですが、これも元からあるランダムイベント制のバリアントといった趣きで、特に厄介だったり難易度を上げるものというわけではないです。演出がとても雰囲気あるので、自分は1、2回慣らしプレイで切った以外はオンにしています。
またOWでは指導者が属性の組み合わせだけではなく、それぞれ独自の仕組みで表現されているので(エジプトのクフは、死後もピラミッドのある都市に建設バフを残したり)文明追加DLCのプレイバリューは高いです。
玉座の影はやや例外的に、タイトルだと諜報関係に見えますが「プレイヤー指導者に伍する国内有力者」が生まれるようになる新要素DLCで、これは単に権力が欲しい貴族であったり、英雄であったりします。烹ないといけない走狗、グリフィスに対するガッツみたいなもので、頼り甲斐のある部下であり友(プレイヤーにとっては優秀なユニット)が、しかしいずれ刃をこちらに向けてくるかも…とかエモ展開もあり得ます。
ただ内戦が起きやすくなるため、難易度というか情報量は相応に増える感じでしょうか。
再三になりますが、命令ポイント制のためDLCで「やれること」が増えても、それはプレイの幅であって総操作量はさほど変化しないんですよね(厳密には追加された効果などで命令ポイント上限が少し増えやすくなってるでしょうが)。改めてよく出来たシステムです。
ともあれどのDLCも導入価値は十分以上にあると思います。
2025/4/3048人が参考になった
プレイ時間 147時間
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civ4リードデザイナーによる作品らしくciv4にCKっぽさを混ぜた感じ。
近現代はばっさりカットしてるので銃火器や飛行機は存在せず雰囲気が固定できててBGMも含めかなり好み。
肝心のゲームですが、面白いけどわりと説明不足が目立ちます。
チュートリアルモードが(無駄に)長く丁寧なのである程度のことは理解できます。ゲーム中にもcivのような簡易チュートリアルが出せます。ただ、なんというか大まかな部分はチュートリアルで理解できるのですが、逆に細かい部分は説明不足すぎていまだにこれってなんのことなんだろう?みたいな部分があります。加えて微妙な日本語訳に余計に惑わされます。
ポップアップの説明とかも絶妙にわかりづらい。理解してしまえば全然気にならないのですが初見だとわかりづらいのではないかなと。
ランダムに発生するイベントがかなり豊富で毎ターン確実に発生します。デメリット含むイベントも多く、デメリットないなと思われる選択肢でも何かしら別のイベントを引き起こしたり、回避する場合でもリソース犠牲にすることが多いです。そしてイベント選択による影響がわりと大きい。読まずに適当に選ぶとそのまま続いて最悪な結果を引き起こすことも。
氏族や臣下との関係性も考えつつ、ゲーム全体を通して常に何かしらの決断を迫られる感じです。
ゲームの完成度はかなり高いので4X好きであれば普通に楽しめるんじゃないかなと思います。宮廷ドロドロ、氏族のご機嫌取り、子供の育成などドラマを楽しめる人ならオススメ。逆に毎ターンイベント読むのが面倒くさい人にはオススメしづらいです。
あと最初に書いたように時代が古代に限定されているおかげでBGMがどれも雰囲気にあっていて素晴らしい。サントラとして垂れ流してもいい。
2025/10/1718人が参考になった
プレイ時間 134時間
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チュートリアルを5段階すべてクリアした人:10.5%(2026/02/05現在)
この時点でふるいにかけられていますね。
チュートリアルをクリアするまでに10時間以上かかってしまいました(1回途中で投げた)。
チュートリアルの一つ目をクリアした人より、ゲームプレイを始めた人の方が10%くらい多く60%超えです。
ただ、その後シングルプレイで勝利した人が10.5%なんで、ほとんどの人がクリアしてないようです。
この数字を見ただけで人を選ぶゲームであることがわかると思います。
ただ、しっかり理解すれば楽しいゲームではありますので、おすすめしたいです。
あまり好ましく思わない人もいるかもしれませんが、序盤のプレイだけでもYOUTUBEなどでプレイ動画を見てみると理解が深まって楽しくなると思いますよ。
自分自身がそうで、1回投げたこのゲームを再開するキッカケがたまたまYOUTUBEでこのゲームの勉強しようかな、といったところなので。
個人的にはこのゲーム特有の指導者や派閥などの要素が非常に重たそうな印象だったのですが、この要素は確かに影響力は大きいです。しかし、もし運悪く失敗しハンデがついてもその中でやりくりする難易度の高さを楽しむ心などがあれば良いだけですので。
いや、それも人を選ぶって話なんですけどね。
プレイ時間がまだ12時間程度で、さっきチュートリアルが終わったところで%見て驚いた次第です。
しかし、これから1プレイは少なくともクリアできるくらいのモチベーションは持てているので、問題なくプレイ時間は伸びそうです。
(後に結局3回くらいはシングルプレイをクリアしました)
2026/2/410人が参考になった
プレイ時間 46時間
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古典時代をテーマにしたターン制ストラテジーのゲームです。ゲームデザインにおいて、史実・現実をうまくゲームに落とし込んだ秀逸な部分がある一方で、人を選ぶ部分もあるゲームかと感じています。
今回は、概要(ファクトベース)と共に、「史実・現実と連動した面白いゲームデザイン」(三点)と「人を選ぶと感じた部分」(二点)について記載していきます。
<史実・現実と連動した面白いゲームデザイン>
1.「命令」のリソース値が生み出す、内政・戦争の制限とバランス
2.王としての、国内有力氏族とのバランス取り
3.部族勢力と「人口溢れによる進出(蛮族化)」の再現
<人を選ぶと感じた点>
4.良くも悪くも泥仕合・消耗戦の戦争
5.ランダムイベントとロールプレイ
【概要(ファクトベース)】
・プレイヤーは、王の一族として、国を発展させていく
・基本的な勝利条件は「人口の多い都市や遺産を立てることによる、勝利ポイントの積み上げ」または「野望(大型クエスト)の10個成功」により達成。その手段として、内政や戦争がある(ライバルから奪えば、当然その部分が積みあがる)
・テクノロジーは古典時代限定でのツリー形式。ただしランダム要素が組み込まれており、三つ~四つの選択肢から選ぶことになる(一直線での技術研究は不可。研究コスト的にもある程度下位の技術を拾った方が国が発展しやすい)
・研究を進めることで、地形改善や社会制度の採用が可能になる他、戦争用のユニットも解禁される(カルタゴの象やヒッタイトの戦車等、文明によって固有ユニットあり)。ただ、良くも悪くもテクノロジーだけでは劇的な戦闘力の差異は生まれにくい
・ユニットの移動には「命令」というリソースが必要。社会制度の選択や拡張に伴い文明単位での総命令数を増やすことができる
・最初に都市を建て、そこで建造物やユニットを生産し拡張していく
・新都市拡張は、開拓者ユニットを生産し、予め定められた「入植可能拠点」に開拓者を埋めて都市を建てることになる
・「入植可能拠点」は、通常難易度だと三か所程度は戦闘なしで建てられる場所に存在する
・それ以上の入植をする場合、蛮族・部族を制圧し、そこに開拓者を埋めることになる(又は他文明の拠点を制圧)
・敵勢力は三種類おり「蛮族(Barbarian。お邪魔NPCで1拠点ごとに独立して存在。一切交渉が通じない。Civシリーズの蛮族そのまま)」「部族(Tribe。ガリアやスキタイ等。複数拠点を持っており、戦争・和平交渉・婚姻等による取り込みも可能)」「文明(Empire。ローマやカルタゴ等。よくあるストラテジーのNPC)」となっている
・基本的な流れは、まず「最初の開拓者で一都市目を建設」「開拓者を追加生産し、二都市目・三都市目を建設」「戦闘ユニットや開拓者を生産し、蛮族キャンプを制圧。その後蛮族キャンプに開拓者を埋めて都市を建設」「蛮族が終わったら部族を制圧し部族キャンプに都市を建てる or 和平で抱き込む」「部族が終わったら文明と戦争や交渉」「都市や遺産を建てる(奪う)ことでポイントを積み上げ勝利達成」といった形
・文明ごとに有力氏族四つが定められており、ゲームではこのうちの三つまでが使用可能。(必然的に一氏族は選択できない)
・氏族には得意なこと(軍事・文化・経済・宗教・拡張)や要求資源(染料・塩等)が割り当てられている
・都市を建設する際、毎回「どの氏族に都市を任せるか」を選択できる
・氏族ごとに有力なキャラクターが存在し、婚姻や、都市の総督・国の大臣への任命等が可能
・特定の氏族だけを優遇すると、他の氏族から不満が出てくるため、王(プレイヤー)としてはバランスを取る必要が出てくる
・一つの氏族に絞ってプレイすることもシステム上は可能だが、ゲームバランスとして、三つすべて登場させてそれぞれの強みを生かした方が強くなるデザインになっている
・三氏族は「都市数が他氏族より多いと喜び、少ないと不満を抱く」「王の一族が、自分の一族と婚姻すると喜び、外国(他文明や部族)と婚姻すると怒る」といった部分は概ね共通しているが、氏族ごとに重要視するポイントが違うのでそこを踏まえた上でリソースの割り振りをする余地がある(例えば内政系で大臣ポストの確保を重視する一族がある一方で、軍事・文化系は別の事項に関心がある等)
・王を含むキャラクターには、職業や性格等の特徴が定められている(建築家・外交官等。特に王については、職業によるボーナスが大きい)
・王の性格(勇敢・尊大・倹約家・狂人等)によっては、イベントで提示される選択肢が増減することもある
・ゲームデザインとしてランダムイベントの比重が高く、選択肢によって資源やユニットを獲得したり、他勢力との外交関係が良化・悪化したりする
・各キャラクターに対して、友好的に接することも可能な一方で、暗殺者を差し向けたり投獄したりすることも可能(プレイスタイル次第だが、仲の悪い氏族長や無能な後継者を暗殺するような遊び方もできる)
以上がファクトベースでの記載となります。以下は個人の感想も混じった、このゲームの特徴についての記載です。
<史実・現実と連動した面白いゲームデザイン>
1.「命令」のリソース値が生み出す、内政・戦争の制限とバランス
本ゲームでは、ユニットを動かす際に「命令」というリソースを消費するシステムがあります。特に序盤はこの命令数が限られており、王としては「蛮族との闘いのためのユニット移動にリソースを割くか/内政用ユニットの移動にリソースを割くか」といった選択を迫られます。国が発展すると命令数も増えていくのですが、国土が広くなるにつれて管理するユニットの数・移動距離も増えるため、王の立場としては引き続き「どのユニットに命令するか」に悩むことになります。また、戦争が発生した際に与える影響が特に面白く「戦闘ユニットの数が多くても、命令数と釣り合っていない場合はユニットを活用しきれず、遊休資産を抱えることになる」「戦闘ユニットを動かすと、内政ユニットを動かすためのリソースがなくなるため、結果として内政が滞る」といった事象が発生します。
これは「国として体制が整備されているかどうかで、王や将軍が自由に動かせる人の数が変わる」「国として戦争に注力する場合、内政が疎かにならざるを得ない」といった史実を、ユーザーが納得できる形でうまくゲームに落とし込んでいる部分だと思っています。
さらに言えば、この制限は「命令数が限られている以上、ユーザーはそれ以上の操作をしなくて良い」という言い訳を与えてくれます。ストラテジーゲームをプレイする方であれば、戦争中に最善を尽くすために数十ユニットの操作を強いられた経験をお持ちの方もいると思いますが、このゲームはユーザーに「ユニットへの命令(操作)が一定数終わったら、ターンを終了せざるを得ないよね」と言ってくれるのです。個人的には、史実の再現とユーザー側への配慮の両面で、なかなか面白いゲームデザインだと感じている部分です。
2.王としての、国内有力氏族とのバランス取り
通常のストラテジーゲームだと、王権・支配権が確立された状態での国外勢力とのやり取りを中心としたものが多いですが、このゲームは絶対権力の確立前の時代を舞台としており、その中でも国内氏族とのやり取りにかなりの焦点が当てられています。実際に歴史的な「王」の成り立ちやこの時代の状況を考えると、王としての正当性や国内有力氏族からの支持が得られるかといった部分は非常に重要であり、このゲームもそのあたりの史実をうまく落とし込んでいると感じています。
プレイの中での例を挙げると「氏族全体からは不満が出ているが、氏族長に贈り物を送って友好度を上げれば、王と氏族長の存命中は氏族全体の友好度がプラスされる(ただしどちらかが死んで個人的な関係が途切れれば補正はなくなる)」、ランダムイベントで「クラウディウス家とファビウス家が、娘を王の配偶者にしろと迫ってきた。どちらを選ぶ?(選んだ氏族は評価+40、選ばれなかった氏族は評価-20」といったものが出てきます。
このように、ランダムイベントも絡めた上で「為政者としてどちらを”捨てる”か選ばざるを得ない」という王の苦悩をうまく再現しているのは、なかなか面白いポイントだと感じています。
3.部族勢力と「人口溢れによる進出(蛮族化)」の再現
部族(Tribe。ガリアやスキタイ等)は、蛮族(Barbarian)とは違い、交渉・停戦が可能です。ただし各拠点は一定ターン数毎にユニットを生み出し、停戦状態であってもユニット総数が一定以上になると、あぶれたユニットが国家を襲撃してきます。例えば4ユニット目までは部族拠点でおとなしくしているのですが、5ユニット目が生まれた途端に、うち3ユニットは部族のまま・うち2ユニットは交渉不能な蛮族と化して略奪にやってくるようになります。
史実で言えば「人口が増えた結果、自前の土地だけでは生きていけなくなった/土地から押し出された部族の一部が、周辺地域に進出を試みた」という、ある種の民族大移動を再現している部分かと思います。プレイヤーとしてはうっとうしい部分もあるのですが、史実を踏まえると説得力のあるシステムであり、なおかつ部族の完全な取り込み 又は 殲滅にうまく誘導するゲームデザインとなっています。
これら以外にも史実・現実とうまく連動させた箇所があるので、そういった視点で見ていただくとより面白いゲームと感じるかと思います。
<人を選ぶと感じた点>
4.良くも悪くも泥仕合・消耗戦の戦争
このゲームの戦争では「Civ4のライフルvs長弓兵」のような明らかな戦力差のある戦闘はほぼ発生しません。テクノロジーや国家の発展度合いによってユニット戦闘力・ユニット数・命令数といった部分で差はつくのですが、基本的には地形や陣形で工夫しながら多数のユニットで殴り合いを行った上で、勝利をもぎ取る形になっています。戦争としてはCiv5に近いのですが、テクノロジーによる差異が少なく命令数の制約もあるので、より戦術面での工夫の余地があると言えるかと思います。(個人的には「制限」がゲームの面白さを生み出してくれるケースだと感じています)
ここはプレイヤーによって好みが分かれると同時に、大きく差がつく部分でもあります。「駒の配置や手数をじっくり考えて動くことが好き」なプレイヤーにはオススメできるかと思います。
5.ランダムイベントとロールプレイ
本ゲームでは、ランダムイベント・ランダム要素が非常に多く、それが国家運営に影響を与えてきます。探索・戦争・外交等、様々な局面で、ときに史実をベースにした多様なイベントでプレイヤーを楽しませてくれるのですが、特に影響が大きいのが「後継者育成」「お家騒動」絡みのイベントです。後継者を勇猛果敢な将軍にしようとした際、親の思い通りになってくれるケースもあれば、イベントで「狂人」のマイナス特性(王が持つと優秀な家臣を殺すようになるクソ特性)がついてしまったり、言うことを聞かずに「哲人」になってしまったりと、思い通りにならないことも多々あります。他にも、ロマンチストな娘がどこぞの馬の骨と駆け落ちする・イベントの選択肢次第では王が迷信家になる等、かなり多彩であり、その際にあえて普段は選ばないような選択肢を選ぶと想像しなかった面白い結果が見られることもあります。
プレイヤーの実力次第ですが、ストラテジーとしては最適解ではない選択肢でも「ロールプレイとして面白いから」という理由であえて選んで楽しむこともできるので、そういった要素が好きな方にはオススメできるゲームです。
まとめると、
・古典時代を舞台にしたうえで、史実をうまくゲームに落とし込んだ良作ストラテジー
・「王」の立場として、内政・戦争・外交・お家騒動が楽しめる
といったところでしょうか。
なお、個人的には「古典時代に焦点を当てている」「ロールプレイができる」といった点は好きなものの、戦争部分が自分のスタイルには合わないと感じたのと「ゲーム終盤になると、私のPCスペックだと非常に遅くなる」といった点もあり「そこそこ推せる良作ではあるが、傑作として大絶賛できるほどでもない」という感想を持っています。
以下は、私の個人的な感想が強めの内容ですが・・・
共和制ローマが好きな人間でカエサルのガリア遠征の話も読んでいたので「対部族闘争ってこんな感じだったのかな」とか「氏族間のパワーバランス考えながら政治するとか、人間って2,000年経っても変わらないな・・・」などと少し笑いながら楽しんでいました。
また、ロールプレイ好きの立場としても思わずニヤッとするイベントに何度か遭遇しました。特に楽しかったのは「王として子供が二人いるが、長男は50歳になっても種無しで孫が産まれず、次男は探検家だが、冒険イベント中に行方不明(死亡扱い)になってしまった。こりゃもうお家断絶やな」といった局面で「次男が奇跡的に冒険から帰ってきた!」というランダムイベントが発生、帰ってきた次男には即配偶者を用意して孫が産まれて血が繋がった、といったプレイでした。これはランダムイベントだけでは出せない味で、プレイヤーが「自分の頭で余白を補完するのが好きな人」だと、かなり楽しめるゲームだと思います。
個人的に、OldWorldは傑作ではなく良作どまりだとも思いますが、十分に楽しめるゲームだとも感じています。興味を持った方は、ぜひプレイしてみてください。
2025/12/110人が参考になった
実況・プレイ動画(YouTube)
配信・アーカイブ(Twitch)
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